【ネタバレ】アメリカ映画「ディザスター・アーティスト」の感想。なんという味わい深いカルト映画…の裏側。
こっちの方すっかり更新してませんでした。今後も不定期になりそうです。
最近はいだてんを最初から一気見してたのですが映画の方もそこそこ見ていました。
その中でも特に面白かったのが先日見たアメリカ映画の「ディザスター・アーティスト」。
最初完全にポカーンだったんですけどなにこのじわじわ、最終的に爆笑してました。
あらすじ - ディザスター・アーティスト
「史上最低の映画」と呼ばれる『The Room』の制作の裏側を再現したドラマ。演技学校に通うも人前で思ったように演技ができないグレッグ・セステロ。そんな中授業で下手ながらも熱演を披露したトミー・ウィソーに好感を抱いていた。素性は全く謎のトミーだったが二人は共に俳優を目指すために、ロサンゼルスに旅立ち二人暮らしを始める。
登場人物 - ディザスター・アーティスト
トミー・ウィソー - ジェームズ・フランコ
グレッグ・セステロ - デイヴ・フランコ
サンディ・シュクレア - セス・ローゲン
フィリップ・ハルディマン - ジョシュ・ハッチャーソン
ダン・ジャンギアン - ザック・エフロン
ジェームズ・フランコとセス・ローゲン好きなんですよね。しょっちゅうお互いに友情出演とかしてますが今作もそんな感じでしょうか。
今作はセス・ローゲンの経営する制作会社が最初に権利を取得したようです。
デイヴ・フランコはジェームズ・フランコの弟だったんですね。この俳優さん初めて見たけどすごいなーと思って出演作品リスト見てみると過去に何作か見てました。。。
以降内容に触れています!ネタバレダメな方お気をつけください。
謎の男トミー・ウィソー - ディザスター・アーティスト
「史上最低の映画」と言われて映画ファンたちから愛され続けている『The Room』の制作の裏側を描いた作品です。最初全く『The Room』のことを知らなかったので、普通の伝記ものだと思っていました。これ冒頭の演出がすごい性格悪い。
今考えてもほんとすごい作品だみたいな!感じでいろんな人ががインタビュー的に語ってるシーンからこの映画は始まります。なんかちょっと変だなとは思いつつも『The Room』てそんな名作なのかー!と思ってました。
ジェームズ・フランコ演じるトミー・ウィソーはちょっと不気味な謎の男で『The Room』の監督兼主演。演技は下手っぽいけどやたらお金を持っている。でも全然映画も知らないし多分年も結構とってる…一体何者なのか。気になりながらもグレッグ・セステロは彼と仲良くなっていきます。
映画に出れないなら映画を作ればいい - ディザスター・アーティスト
ロサンゼルスで俳優の仕事を探そうと必死の二人でしたがなかなかうまくいきません。グレッグは俳優事務所のオーディションに受かりますが所属してるだけで仕事は全然来ない。トミーの演技の腕も上がらず、さらに独創的なキャラクターのせいもあってか仕事は来ません。
もうあかん、自分で映画を作ることができればな…と呟くグレッグ。それや!とトミー。でもそんなお金ないよー。いや、お金はあんねん。という。
実績も実力も何にもないけどお金だけは無尽蔵に持ってるから映画を作ることはできる!という思いもしない展開に。トミーが監督兼主演をつとめるとは、やばいにおいがしてきました。
でもインディー映画でも本当にいい作品はたくさんありますし最近でいう「カメラを止めるな!」的な奇跡の一作になったってことかな?トミーは演技は下手だけど脚本の才能はあったのかも!とまだ希望を捨てずに鑑賞。いよいよ映画づくりパートに入っていきます。
あかん…静かに破茶滅茶になっていく撮影 - ディザスター・アーティスト
敏腕カメラマンを雇い機材も一流のものをレンタルするのではなく一式購入。オーディションを開いて役者を揃え、『The Room』の撮影準備は順調かのように見えました。
しかし撮影が始まると一転。トミーは尋常じゃないくらい演技ミスをし何時間もテイクを重ねることに…。めっちゃカメラ目線だし棒読みだしそもそも演技以前にセリフを全然覚えられてない…そのくせ他の演者にはめっちゃ厳しい!!セックスシーンではカメラにがっつりお尻を写してドン引きです。そして位置がおかしい、ヘソとセックスしてる!!とみんな仰天。めっちゃお金持ってるのにスタッフに水も与えないし冷房もつけないからみんな体調不良になっていく…。破天荒だけどすごい人じゃなくて、破天荒な勘違いの人だったんだ!とここでやっと理解しました。
爆笑のプレミア上映、あかん映画をあかんと言わせない結末 - ディザスター・アーティスト
なんとか形になってプレミア上映を迎えます。プレミア上映とは関係者向けに本公開より先に上映するやつですね。
映画が始まってみんなえ?何この映画…?とざわざわ。トミーもすっかり自信をなくして外に出ちゃいます。
でもなんかみんなじわじわ面白くなってきちゃうんですね。主人公とヒロインがイチャイチャしてる間に急に謎の男の子が混ざってきたりとか、路上でタキシード姿でフットボール投げ合ったりとか、全てわけがわからない。演技もすごい下手で棒読みで味わい深い。映画が終わるとなぜかみんな爆笑してる?でもとりあえず良かったー!て感じでめでたしでした。こんな感じで「史上最低の映画」は幕を閉じます。
こうして『The Room』は製作陣の狙いとは違ったものの、というか狙っては作れないような爆笑必須のコメディ作品となったのです。駄作をいじり倒して駄作じゃなくすってことをやってのけた『ディザスター・アーティスト』はほんとすごいです。いや駄作は駄作なんだけど、駄作の見方を変えればなんか面白いじゃん、ってことですよね。
こういう考え方ほんといいですよね。そしてこれ本人に怒られないくらいにギリギリ真面目さを保ってる感じもいいです。おもしろがってるけどバカにはしてないというか、いやしてるのか?
ジェームズ・フランコの完コピ - ディザスター・アーティスト
最後に『The Room』の本編と、本作の再現との比較映像が流れるんですが、ジェームズ・フランコめちゃくちゃ似せてきてます。変なもったりした喋り方も風貌もトミーにそっくりで感動しました。
痛烈なツッコミ役のセス・ローゲンも良かったし、役者さんもみんな雰囲気似せてきてて良かったです。本家の映像めちゃくちゃ笑ってしまうので、ちゃんとみたいなーと思いつつも、一人で見るよりこんな風にみんなのツッコミありきでみたほうが面白いかもなーとか思ってました。
多分ツボにハマったら一生笑ってるタイプの作品だと思います。
ジェームズ・フランコの私的オススメ作品はこちらでみれます。
調べれば調べるほど面白いトミー - ディザスター・アーティスト
結局トミーの素性は今でも誰にも知られていないとか。どこで生まれたのかなんでそんなにお金を持っているのか。都市伝説みたいな人ですが、『The Room』の後にも作品は作ってるようです。なんか調べれば調べるほど色々面白い話がゴロゴロ出てくるので今後も注目していきたいです。